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JICA国際協力エッセイコンテスト2023 国内機関長賞を受賞しました

英語科進学コース1年生丸山萌里さんが、JICA国際協力エッセイコンテストに応募し、国内機関長賞を受賞しました。

JICA群馬デスクの佐々塚様がお越しくださり、本校校長室にて授賞式を行なっていただきました。

大変栄誉ある賞をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

以下、丸山さんの受賞したエッセイです。

皆さんは毎日を過ごしていて、日々の生活に追われていませんか。学校やお仕事、家事や育児など私たちの身の回りでは沢山のすること、またはしなくてはいけないことが山積みです。忙しい毎日を送るなかでも、あなたにとっての安らぎを感じられる時間を持っていますか。では少し、あなたの毎日から少し視野を広げてみてみましょう。ニュースや報道を見ていると、この世界ではまだ戦争や紛争、社会問題や政治的問題に巻き込まれながらも、自分たちの生活を営んでいる人たちがまだまだ沢山います。そんな人たちでも、一瞬でも、そのひとときだけでも、安らぎを感じられる時間はあるのでしょうか。

 突然ですが、皆さんが考える世の中を動かすものはなんだと思いますか。政治が世の中を動かす、こんな言葉をよく耳にします。実際今の社会を見ていたら、一見そうなのかもしれません。でも、本当に世の中を変える力を持っているのは、文化や芸術だと私は考えています。代表的な例で言えば、近年コロナ禍でありながらも爆発的に人気を博し、今もなお現在進行形で世界中の人々を熱狂させるKーPOPがふさわしいでしょう。これは音楽という表現分野で、今までの韓国に対する偏見を世界的に変えた輝かしい結果とも言えます。昔から人間の生活と、芸術や文化は隣り合わせで発展してきました。人間の生活に余裕ができたことで生み出された芸術や文化。それはそこの地域や環境の特色溢れる表現として今にまで継承されています。今までは暮らしが豊かになることでそれに伴い、作り出されたのものが芸術や文化でした。でもこれからは反対の現象になりうると私は考えています。つまり、芸術や文化が先に発展することで、私たちの生き方が変わっていくと思うのです。貧困に苦しみ明日を生きることも困難な人、愛する故郷を追われて身を潜め暮らす避難民、差別が残る毎日と闘う人。まだまだ私たちの目では把握しきれないほど、様々な事情を持つなかで生きる人々がいます。それだけではありません。何不自由なく暮らせるところでも、自分の居場所を無くしてしまった人、心に傷を負って自分の気持ちを閉じ込めてしまった人、信じることに不安を感じるようになってしまった人。毎日、自らもわからない何かに怯えながら生きる人もいるのです。この世界では抱えきれない問題が内的にも外的にも後を立たない状況にあります。世界的に解決策を探し続けている一方なのです。混乱が私たちを惑わせる社会のなかで、それでも私たちを色鮮やかに花開かせてくれるものは何でしょうか。そう、芸術や文化なのです。苦しいとき、悲しいとき、生きる意味を失いかけるとき、どんなときでも彼らは変わらぬ姿で私たちに見えないエネルギーを与えてくれます。そして、彼らを通して私たちは人間自らが持つ感性を働かせ、今見える景色を無限大に変えてしまえる力を発揮できるのです。また、彼らには私たち人間を一つにする力があります。人々の心を一つに和合させ、幸せを掴み取るきっかけを与えるのです。そしてこの幸せが実現して一つにまとまれば、きっと平和への導きとなるはずです。

 私の考える未来へ繋げるべきものは、芸術や文化によって見出される希望です。私たち人間が全員隔たりなく一つとなれるための鍵は、彼らの持つ力によってでしか成すことはできないでしょう。芸術や文化を嗜むことは贅沢ではありません。今生きる者にも、未来を生きる者にも繋げていくべきものであり、人間の心を変え、一つにする大きな力があるのです。そうすれば、今社会が持つ問題も案外解決できてしまう日もそう遠くないかもしれないでしょう。

 

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