宣教師館
- 1888年(明治21年)の前橋英和女学校の開校に際して、語学教育のためにアメリカ人女性宣教師が前橋に招請されました。
3年後の1891年(明治24 年)には主任宣教師のアメリカ人夫妻も招請され、それら宣教師たちの住居として建てられたのがこの建物です。
1891年(明治24年)11月頃に主任宣教師館(西館※現存せず)が、1892年(明治25年)4月に教育宣教師館(東館※写真)が完成しました。附属棟・メイド用住宅2棟・物置も同時期に建設され、これら合わせて6棟の洋館群は、当時の前橋の一名所として市民に親しまれることになりました。 現存するのは写真の教育宣教師館(東館)のみです。ここには、独身のアメリカ人女性の宣教師が7代にわたって住み、共愛女学校などにおける教育と啓蒙に力を尽くしました。宣教師たちは、1931年(昭和6年)に至るまで前橋で伝道や教育の活動を行いました。
宣教師たちを送り出した団体であるアメリカン・ボードの本部はボストンにありました。ボストン近郊にあるハーバード大学のホートン図書館には、この建物群に住んだ宣教師たちの残した記録が今日も保存されています。 この建物に住んだ宣教師たちの紹介は↓こちらより。
移築と保存
建物のあった場所は前橋市岩神町ですが、共愛学園中学・高校が岩神校地から小屋原校地に移転したのにともない、この建物も、前橋市小屋原町の現在の場所に移築されました。 移築作業は2000年11月に終了し、2001年4月28日に竣工式がおこなわれました。さらに、2001年10月6日には資料館として開館しました。
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建設当初の宣教師館
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明治末年から大正初年
見学のご案内
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文化財指定
この建物は明治20年代の宣教師館として全国的にも貴重なものです。
1978年10月、群馬県から重要文化財に指定され、現在は資料館として公開されています。
見学をご希望の方は お気軽にお申込みください。 -
展示内容案内
1.明治の洋風住宅建造物
2.共愛学園の歴史
3.アメリカン・ボードの活動 -
場所
共愛学園中学・高等学校 キャンパス内 群馬県前橋市小屋原町1115-3
JR両毛線駒形駅下車徒歩10分 (駐車場あり) -
開館時間
9:00~16:00
日曜日など休館日がありますのでお問合せください。
また、共愛学園で特別な催しがある場合には日曜日などでも開館される場合があります。 -
入場料
無料です。ぜひお立ち寄りください。
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お問合わせ先・お申込み先
見学をご希望の方は事前にお申込みください。 共愛学園中学・高等学校 TEL 027-267-1000
この建物に住んだ宣教師たち
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ミス・シェッド
Mary H. Shed
(1855-1932)
マサチュセッツ州出身。ウェズリィ・カレッジ卒。
1887年来日。1888-1894年前橋在住。
マエバシ・キンダー・ガーテン(現清心幼稚園)設立に尽力。 -
ミス・パーミリー
Harriet Frances
Parmelee
(1852-1933)
オハイオ州ツウィングブルグ出身。
レイク・イリー・セミナリィ卒。
1877年来日。京都・津・松山を歴任。1892-1899年前橋在住。
社会事業に貢献。 -
ミス・グリスウォルド
Fanny E. Griswald
(1864-1953)
ニューヨーク州サウスポート出身。
マウント・ホリヨーク・セミナリィ卒。
1889年来日。京都・熊本・神戸を歴任。
1898年から1931年まで33年間前橋在住。
清心幼稚園と共愛女学校の教育に貢献。 -
ミス・キース
Cora F. Keith
マサチュセッツ州出身。マウント・ホリヨーク・セミナリィ卒。
1899年来日。1901年まで2年間前橋在住。
新潟・神戸・京都・松山・鳥取・宮崎を歴任。 -
ミス・ケーン
Marion E. Kane
(1899-1988)
マサチュセッツ州出身ダルトン出身。イートンカレッジ卒。
1926年来日。1929年まで前橋在住。
一時帰国後1932年再来日。1941年まで神戸女学院で活躍。