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聖書
- 2012.09.01
9月の聖句
赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。
ルカによる福音書 6:37
「ゆるす」という思想は、聖書にあっては非常に重要かつ、独特な思想です。通常の社会では、何か過ちを犯した場合、それ相応の償いをして初めて、「許される」わけですし、誰かから「許されて」特定の行動や活動がなされるというふうに使われます。
聖書の語る「ゆるし」は、神のゆるしについてです。償い、代償が前提とはなっていません。「ゆるす」とは「解き放つ」「解放する」という意味の言葉が使われています。
もし、私たちが人間の持つ不完全さを神様に対して償ったり、完全になることでしか赦されないのであれば、人間は誰も神様の前に正しくなることはできません。それが聖書の人間理解です。だとすれば、私たちがどれだけ懺悔したか、どれだけ償ったかにかかわらず、神様から一方的に赦され、解放され、認められているのが、私たちの現実であることに気づかされます。
「赦しなさい」という教えは、その意味で、他者をありのままに受け入れ、裁くことなく、認める関わりを作りだしなさいということだと思います。そうした時に、私たち自身も解放されるわけです。
生徒一人一人との関わりの中で、一つ一つの個性大切にし、一人一人の思いを尊重していく教育の中で、私たち教師もさらに豊かな人間性を与えられていくことではないでしょうか。(宗教主任)