共愛学園高等学校
共愛学園
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12月の聖句

平和を実現する人々は幸いである。

マタイによる福音書 5:9

先日、全国のカトリックとプロテスタントのキリスト教学校に関わる教職員懇談会が青山学院高校を会場に開かれ200人以上の管理職、宗教教育に関わる教員が集まりました。国際キリスト教大学で教鞭をとられる大川洋先生の「キリスト教学校がめざすもの -キリスト教教育は道徳教育とどこが違うのか-」という講演を聞き、大変大きな刺激をうけました。道徳心は、決して人から指図されて身につくものではありません。それが上からの押し付けならば、上のご機嫌を伺う表面的な行動や言動にしかなりません。人を愛し、人に仕える心は、人を生かす絶対的な存在との実存的な出会いなしに、決してその人の生き方の根幹にはならないのだと思います。
そういう意味で、キリスト教主義教育は、生徒一人一人の命の根源である創造主との出会いが決定的に重要な点です。そして、それは、やはり押し付けの聖書理解や、キリスト教の価値観では決して実現いたしません。
いろんなことに悩み、立ち止まり、時には後ろ向きになってしまう思春期の子どもたちが、自分自身を見つめたり、自分の存在に様々な問いを発する時、心の一番奥底で、自己を肯定する思いに気付くのは、知恵や知識ではなく、理屈を超えて自分を支える存在への気付きだと思います。そして、それは授業を越えて、毎日の先生や友達との関わり、学校の生活の中で感じ取っていくものなのだと思います。そういう意味で、それは聖書科や一部の教員によってではなく、学校全体の先生方の日々の関わりの中で、初めて実現するのだと思います。そんな学園の教育の根幹を、みんなで考え続けていけることを願っています。(宗教主任)

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