共愛学園高等学校
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7月の聖句

学内教職員向けのメッセージです。

7月の聖句 
「力は弱さの中でこそ、十分に発揮される」
コリントの信徒への手紙(二)12:9

聖書のメッセージは逆説(パラドクス)によって表現されることが多くあります。弱い時にこそ強いという使徒パウロの思想も、様々な困難や不条理を経験する中で、それでも消えてしまうことのない希望の意味に気づいた人物の言葉だろうと思います。パウロは自分が人々の模範で、自分の信じる生き方に邁進していた時には、イエスに従う人々を赦すことができず、彼らの迫害に加わっていました。
しかし、自らの不完全さ、命の不条理に向き合わざるを得なくなった時、彼が敵視していた人々の信じることが、パウロ自身の信仰に変えられました。今月の聖句の箇所の数行前で、パウロは「わたしの身に与えられた刺」という言葉で、彼が背負っていた苦悩について触れています。それが具体的に何なのだったから聖書学者たちの研究をもってしても不明のままですが、それでも何か具体的な大きな苦悩、痛みを抱えていたようです。
そんな人生の中から、弱くても、実はそれこそが真の強さにつながっているということに気づいたのでしょう。
いろんな葛藤、悩みに揺れる中学、高校の時期を過ごす生徒たちが、この聖書の知恵に励まされて、それぞれの日々を過ごしてくれることを願います。私たち教員も、そうした生徒たちと共に、自らを振り返りながら寄り添っていけることを願います。               
(宗教主任)

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