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聖書
- 2012.02.01
2月の聖句
初めに、神は天地を創造された。
創世記 1:1
聖書の最初に書かれている物語は、この世界の始まりについて語る天地創造の物語です。生徒たちは共愛に入学して、この物語をどう理解したらよいのか戸惑うことが多いようです。
科学的な意味でのこの世界の成り立ちを聖書が語っているのだとしたら、到底受け入れられるものではないと感じるからでしょう。
創造物語の意味するところは、人間の本質をどのようにとらえているかということにかかわっていると言えます。科学的にこの世界の構造や成り立ちを解き明かしているのではなく、私たちと世界の存在の理由、意味について語っていると思うのです。
そこから考えると、天地創造の物語は、様々な価値観、人間の創り出した不自然(格差であったり、偏見であったり、疎外された人々の存在であったり)が溢れかえるこの世界を見渡して、本来あるべき世界の姿について語っているのだと思います。
多感な思春期の子どもたちが、まさに混沌とした様々な力に押し流されそうになり、自らの姿を否定的に捉えたり、後ろ向きに感じたりしてしまう時に、本来ある彼らの命の美しさ、可能性をいつも信頼して、それを示し続けるのが、聖書の価値観に根差した教育の本来のあり方なのではないでしょうか。 (宗教主任)