共愛学園高等学校
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12月の聖句

初めに言があった。言は神と共にあった。

ヨハネによる福音書 1:1

新約聖書にイエス・キリストの生涯を伝える書物が4つあります。福音(良い知らせ)を伝えるこれらの4つの書物のうち、イエス・キリストの誕生の物語を伝えているのは、マタイとルカ福音書だけです。一番古いとされているマルコによる福音書には、イエスの出生についての記述はありません。そして、他の3つと大変異なるスタイルのヨハネによる福音書にも、イエスがどこで生まれたのかはいっさい書かれていません。
イエスの出生が重要なのではなく、イエスがどのような存在であり、何を私たちに知らせたのかが福音書の中心的な関心事ですので、マルコとヨハネにとっては、誕生の物語は必要なかったのであろうと考えられています。
そんなヨハネは、イエスが十字架にかけられる前の晩のあの有名な「最後の晩餐」の記述も伝えていません。パンと葡萄酒を祝福し、弟子たちと分かち合った食事のことを伝える代わりに、イエスが弟子一人一人の足を膝まづいて洗った出来事が伝えられています。そして、これからは互いに仕え合う者となりなさいと教えるのです。ですから、他の福音書が誕生の物語を伝える箇所で、ヨハネが他の表現を用いて、イエス・キリストの意味を語っているとも言えます。福音書の一番最初で、イエスが神の本質をもった存在(言=ロゴス)であること。そしてその本質が私たちの生活の中で具体的な形(肉)となったと語る時、私たちが共に生きる人々との出会いの中で、神の本質を知らされ、そこに生きることへ招かれているのだと言えます。「互いに愛し合いなさい」という共愛学園の大切にする聖句と、直接関係しているのだと思います。クリスマスを、2000年前の出来事を祝うだけでなく、今、共に生きる人と人との関わりの重要さを伝える物語として祝えることを願っています。(宗教主任)

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